お米に生物多様性の価値を!ラベル認証で保全を促進~認証と保全象徴種の明示で生物多様性保全米の差別化の可能性~

東北大学大学院農学研究科(豆野皓太 助教)、国立環境研究所、筑波大学、北海道大学の研究グループの研究成果が2022年11月27日付で Ecological Economics 誌に掲載されました。

【発表のポイント】
●全国の消費者を対象にWebアンケート調査を行い、生物多様性に配慮して生産された米の認証ラベルに対する評価を貨幣価値単位で推計
●消費者(無作為抽出された回答者)はいくつかの認証ラベルを高く評価
●消費者の認証ラベルに対する評価は、認証方法と保全象徴種、またその組み合わせによって異なることを確認
●消費者の評価に基づいて適切に認証ラベルをデザインすることで生物多様性保全米を差異化、高付加価値化できる可能性を示唆
●生物多様性保全と食料安全保障との両立に向けて、本研究は農地の生物多様性の価値を顕在化し、保全を促進するマーケティング手法の構築に有益な知見を提供

【概要】
持続的な食糧生産と生物多様性保全の両立に向けて、生物多様性の価値を農産物に付加することで、生物多様性に配慮した農業生産を後押しすることが求められています。東北大学大学院農学研究科(豆野皓太 助教)、国立環境研究所、筑波大学、北海道大学の研究グループでは、生物多様性に配慮して生産された米(保全米)の認証ラベルに対する消費者の評価を支払意志額に基づいて推計しました。その結果、ラベルに表示される種を魚類にするか鳥類とするか、生物多様性への配慮をどのように認証するかにより、保全米の付加価値に違いが出ることがわかりました(図1)。このような結果は、認証ラベルに対する消費者の評価に基づいた適切な認証ラベルを用いることで、生物多様性の価値を顕在化し、保全米を高付加価値化できる可能性を示唆しています。

本成果は2022年11月27日付で Ecological Economics 誌に掲載されました。
・研究室ウェブサイト 
 https://sites.google.com/view/agri-envecon/home
・プレスリリース 
 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/12/press20221214-01-rice.html

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