食品中のコリンの正確な分析と食事摂取基準の設定に向けて

コリンは、私たちの体を健康に保つために重要な栄養素であり、食事から必要量を摂取することが求められます。しかし、食品中のコリンはさまざまな形で存在しているため、正確かつ簡便に分析することが難しいとされています。さらに、日本人のコリン摂取量は十分に把握されておらず、国内における食事摂取基準の設定も進んでいません。
一般財団法人日本食品分析センターと東北大学大学院農学研究科の仲川清隆教授の研究グループは、食品中の異なるコリン化合物を遊離型のコリンに変換する条件を見つけ出しました。そして、遊離になったコリンを質量分析装置で正確かつ簡便に測定する新しい分析法を開発しました。今後、この分析法を用いて日本のさまざまな食品のコリン量を調査し、国民のコリン摂取量を明確にすることが期待されています。これにより、国内の食事摂取基準の設定にも貢献する可能性があります。
本研究成果は、2024年8月02日に国際学会誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

【掲載論文】
・論文タイトル:Optimisation of acid hydrolysis conditions of choline esters and mass spectrometric determination of total choline in various foods
・著者:平川祥成1, 2、藤田和弘1、片山雅子1、横関俊昭1、高橋有志1、吉田泉1、仲川清隆2
1:一般財団法人日本食品分析センター
2:東北大学大学院農学研究科 食品機能分析学分野
・雑誌名:Scientific Reports
・DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-024-69008-z

図1:開発した分析法の概要

【問い合わせ先】
一般財団法人日本食品分析センター
平川祥成
TEL:072-641-8958
E-mail:hirakaway*jfrl.or.jp (*を@に変更してください)
東北大学大学院農学研究科 食品機能分析学分野
教授 仲川清隆
TEL:022-757-4416
E-mail:kiyotaka.nakagawa.c1*tohoku.ac.jp (*を@に変更してください)