麴菌をモデルとして糸状菌のタンパク質分泌生産における小胞体ストレス依存的mRNA分解機構の存在を証明

【本学研究者情報】
農学研究科 教授 五味勝也
農学研究科 教授 新谷尚弘

【概要】
国立大学法人東京農工大学大学院農学研究院応用生命化学部門の田中瑞己准教授と国立大学法人東北大学大学院農学研究科の五味勝也教授、新谷尚弘教授らの研究グループは、麴菌が酵素タンパク質を生産する際の細胞応答機構を解析し、麴菌などの糸状菌において、折り畳みに失敗した異常なタンパク質の蓄積によって引き起こされる小胞体ストレスに依存したmRNA分解機構が存在することを証明するとともに、このmRNA分解機構が、人為的でない自然な小胞体ストレス条件下で起きることを真核微生物において初めて明らかにしました。この成果により、今後、麴菌をモデルとして、微生物のタンパク質生産における小胞体ストレス依存的mRNA分解機構の重要性が明らかになるとともに、有用なタンパク質の高生産株の育種にもつながることが期待されます。
本研究成果は、Communications Biologyに10月4日付でオープンアクセス公開されました。


図1:麴菌がα-アミラーゼを生産する際に起きている細胞応答機構。α-アミラーゼの生産によって誘導される小胞体ストレスの解消にRIDDが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。

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