氏名 乙木百合香
職位 助教
TEL 022-757-4419
FAX 022-757-4417
Mail yurika.otoki.d7*tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
専門分野 食品化学, 脂質生化学, 分析化学
経歴 東北大学農学部卒業, 東北大学大学院農学研究科修業, University of California, Davis Junior Specialist, 東北大学大学院農学研究科博士研究員, University of California, Davis Postdoctoral fellowを経て現在
Research map https://researchmap.jp/otoki
研究内容

私は、質量分析技術を基盤に生体・食品脂質の精密な分析を行い、疾病予防や食品の品質評価に関する研究を行っています。生体の解析に関しては、疾患者の病変部位(脳や血液)の酸化脂質やプラズマローゲンなどの機能脂質と疾患との関わりを解明することを目指しています。食品評価に関しては、質量分析と非破壊分析機器を活用してより簡便・迅速かつ高精度な新規品質評価法の構築を行っています。

シーズ
  • 神経変性疾患と酸化脂質の関係

現在、アルツハイマー病や多発性硬化症などの神経変性疾患者数が増加しており、その予防や治療法の開発が望まれています。神経変性疾患の亢進には脂質酸化が密接に関わっていることが知られているものの、どういった酸化脂質がどの脂質クラスに存在するかはよくわかっていません。そこで、私たちは、神経変性疾患モデルマウスの脳を用いて様々な脂質由来の酸化脂肪酸を網羅的に解析したところ、中性脂質由来のエポキシ型オキシリピンが疾患に関与していることを初めて明らかにしました。本研究成果は疾患と酸化ストレスの関与を示すだけでなく、その予防法構築においても重要な知見となっています。

 

リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31691988/

  • アルツハイマー病とプラズマローゲン

アルツハイマー病者の脳ではプラズマローゲンというリン脂質の減少が知られ、プラズマローゲン摂取によるアルツハイマー病予防に期待が高まっています。ただし、プラズマローゲンと一口に言ってもどんな分子種(どんな脂肪酸が結合しているか)によってその機能は大きく異なることが知られています。私たちは、まずプラズマローゲンの分子種を高精度に分析できる方法を構築し、本法を持ちてヒトアルツハイマー病者の脳においてプラズマローゲンのうちDHAが結合したプラズマローゲンが特異的に減少することを見出しました。こうのような知見をもとに、プラズマローゲンの代謝吸収を含めた予防法の開発に取り組んでいます。

リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31691988/

リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33475971/

  • 油の評価

我々は食品油の酸化原因を特定するために、質量分析を用いて過酸化脂質異性体の評価法を構築しました。しかし質量分析は大変高価で汎用性が低い欠点があります。そこで、本法を簡便・迅速にする非破壊分析法の構築を行っています。