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Laboratory of Animal Breeding and Genetics, Graduate School of Agricultural Science, Tohoku University.

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Laboratory of Animal Breeding and Genetics

研究室の沿革NEWS&FAQ

動物遺伝育種学分野(家畜育種学講座)の歩み




 本講座の創設は昭和24年5月であるが、同22年に森彰助手が、同23年3月に西田周作助教授が宮崎大学から家畜繁殖講座の席で赴任し、同25年に教授に昇任した。本講座は本邦初の家畜育種学講座であり、西田教授は家畜育種学の体系化に専念した。昭和25年助手として水間豊が、同26年猪貴義が助手として採用され、講座の陣容が整った。当時の講座の研究は畜産の現場から問題を抽出し、家畜での研究と実験室の基礎研究の統合を図り、種雄牛、雑種豚、交配鶏の能力の解析を進める一方、実験小動物の近交系の造成に努めるとともにそれらの交配による雑種強勢現象の解明であった。猪助手は昭和37年農水省家畜衛生試験場に転出し、山岸敏宏が助手となった。森助手は昭和38年助教授に昇任し、その後宮城県農業短大教授として転出した。昭和39年に水間助手が助教授に昇任し、同年河本泰生が助手となった。昭和44年河本助手が岡山大学に転出し、同年萬田正治が助手となった。昭和46年萬田助手が酪農学園大学に転出し、萱場猛夫技官が助手に昇任した。西田教授は昭和47年定年退官、荒井敢太技官が同48年に助手に昇任、同年秋田県立農業短期大学に転出した。昭和49年に水間助教授が教授に、同50年に山岸助手が助教授に昇任し、同年に八巻邦次が助手として採用された。このように昭和37年から同40年代にかけて講座の陣容に変化があった。一方、研究の面でもそれまでの研究が一段落し、それらの成果をふまえて新たに基礎研究として、マウスを用いた成長における遺伝と環境の相互作用をみる選抜実験、ウズラの抗体産生能の選抜実験、酵素・蛋白質の多型と生理機能との関連についての育種学的研究を進めるとともに、現場の課題として東北独特の肉牛品種である日本短角種、更に黒毛和種の育種研究が始められた。この間、武田満、三浦千代子、中島誠、石垣貞夫、大森時子、佐藤はる子、富沢弘子、大友由紀子、石井和範の技官が講座事務や動物飼育を担当し、講座の活動を推進した。その後、萱場助手は昭和59年山形大学助教授として転出し、同60年に篠原久が助手に採用された。水間教授は平成2年3月定年退官となり、同年11月山岸助教授が教授に昇任した。平成5年4月農水省より西田朗が助教授として赴任した。

 平成9年4月再編整備により家畜育種学講座から動物遺伝育種学分野へと名称が変更になった。平成13年3月山岸教授は定年退官となり、同年4月西田助教授が教授に昇任した。平成14年4月宮城県畜産試験場より鈴木啓一が助教授として赴任した。平成17年12月に篠原助手が急逝された。平成18年3月に西田教授が定年退官し、同年12月に鈴木助教授が教授に昇任した。平成19年3月に八巻助手が定年退官した。平成23年5月米国オクラホマ医学研究財団より島津朋之が助教として赴任し、同26年9月に東京理科大学助教として転出した。平成27年3月に鈴木教授が定年退官し、同年11月に国立研究開発法人農研機構畜産草地研究所より佐藤正寛が教授として赴任した。平成29年4月より独立行政法人家畜改良センターより上本吉伸が准教授として赴任し、現在に至る。同年4月より京都大学大学院農学研究科博士課程を修了した小川伸一郎が助教に採用され、令和4年4月に国立研究開発法人農研機構へ転出した。

 過去10年間の研究では、家畜の成長、肉質、繁殖能力、飼料利用性、抗病性などの遺伝的改良を図るために、形質の発現機構とその遺伝性の解明、正確な種畜の遺伝的能力評価法、各家畜の育種計画などをテーマとして、肉用牛、豚、マウスを対象動物とし内分泌生理学、免疫学、分子生物学的手法により測定した形質について、マイクロサテライトやSNPを利用したQTL解析および統計遺伝学的手法を用いた研究を実施し、成果を上げてきた。現在、家畜の繁殖能力、発育・産肉能力、飼料の利用性、生涯生産性などを遺伝的に改良するために、統計遺伝学的手法による研究を行っている。また、ゲノム情報を活用した遺伝的改良法に関する研究を進めている。

 本講座の卒業生は、学部・大学院を含めて291名(令和3年度まで)にのぼるが、主な職業分野は会社・団体、農林水産省・県・市(中高教師を含む)、大学教員である。特に農林水産省、県、大学、団体にいる卒業生は、畜産の試験研究や行政に携わり、我が国の畜産の進展に大いに寄与しており、心強い限りである。

この原稿は1996年12月に農学部創立50周年記念誌の原稿として作成したものに加筆訂正を加えた。


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動物遺伝育種学分野

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