PICS事務局
989-6711
宮城県大崎市鳴子温泉字蓬田232-3
複合生態フィールド教育研究センター
Tel 0229-84-7395
Fax 0229-84-7391
プロジェクトリーダー挨拶
2007年4月1日
東北大学大学院農学研究科
教授 中井裕
森、中山間地、田畑、沿岸そして都市からは日々多量の有機性廃棄物が生み出され、蓄積しています。これを放置することは地球環境の汚染を招くばかりではなく、限りある有機性資源を枯渇させてしまいます。このような状況から一刻も早く脱却するためには有機性廃棄物の資源化と適正な再利用する循環システムを構築しなくてはならないと考えました。その方法の一つとして日本において古くから行われてきた堆肥化(コンポスト化)があります。しかし、これまでの技術ではアンモニアが揮散して酸性雨の原因になったり、低窒素コンポストの多量施用による耕地のリン酸過剰が起こったり、これらの結果として水系の富栄養化が引き起こされたり、重大な環境破壊に繋がるおそれがありました。これに対し東北大学で開発した食品残さ用の酸性コンポスト化技術は、アンモニア揮散を抑制することができ、脱環境負荷コンポストへの光が見えました。
しかし、その技術だけでは有機性廃棄物の循環にはなりません。造られたコンポストに含まれる成分の詳細な分析による安全性の評価、そのコンポストを実際に使用して機能性や利用性の評価をしなくてはなりません。われわれは農学研究科の複合生態フィールド教育研究センターを活用して、その課題に取り組んできました。また、コンポスト利用の大きな問題であるコストパフォーマンスに関しても衛星画像の利用と社会科学的視点との文理融合による解析を行い、問題点の整理を行っています。
東北大学大学院農学研究科は、コンポストに関連する研究を古くから実施してきましたが、平成16年、工学研究科の複数の研究室と連携して、コンポスト総合研究プロジェクト(PICS:Project of Integrated Compost Science:プロジェクト・イクス)を立ち上げました。翌平成17年には、農学研究科は宮城県と協定を結び、地域連携研究組織(PICSみやぎ)を開始しました。これらの成果と将来性は文部科学省に高く評価され、PICSは、「地球共生型新有機性資源循環システムの構築」として、平成19年度から5年間の予定で、特別教育研究経費連携融合事業に採択されております。
有機性資源循環の鍵となるコンポスト総合科学を確立するために、学内の研究・開発力を結集して、研究を進めるとともに、宮城県と連携して、コンポスト化技術、実用化技術開発を行います。また、地域からのニーズ収集と地域への技術移転および教育を推進します。新技術の開発と地域連携によって、宮城県を舞台に新たな循環システムのモデルを構築し、世界へ発信していきたいと考えています。