用語解説 あ行


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アブシジン酸
 植物ホルモンの一種.植物の成長を抑制する働きを持つ.落果を促進させたり,休眠を制御することが知られている.(編)


アンチセンス遺伝子(の導入)
 ある遺伝子の配列を,逆向きに発現するように植物に組み込んで,もとの遺伝子の発現を抑えるテクニック。これにより作出された作物にはフレーバーセーバートマトがあり,果実を軟化させる酵素を抑えて日持ちがする様に性質が改善され,アメリカ合衆国のスーパーの店頭に並んだ。(金山)


維管束(キーワード;木部師部道管師管
 植物の茎・葉・根などの各器官を貫いて分化した条束状の組織.木部篩部からなり水分や体内物質の移動の通路となる.(大)
 木部は主として水や無機物を運ぶ道管と木部繊維や木部柔組織から成る.
 師部は有機物を運ぶ師管と師部繊維や師部柔組織から成り,植物の機械的強さを増す働きがある.(編)


栄養成長;参照→生殖成長
 種子植物が発芽後葉や茎などの栄養器官だけを分化,形成すること.(編)


栄養成長相;参照→成熟相
 栄養成長している発育ステージを栄養成長相という.また,この発育ステージでは,花のような生殖器官が形成されないことから,幼若相と呼ばれる.(編)


ABCモデル模式図
 花を構成する器官(外側から順にがく片−花弁−雄しべ−心皮)の形成と配列に,遺伝子がどの様に関わるかを説明したモデル.
 花が形成されるときは,同心円上の四つの場(模式図の whorl1〜4)が設定される.Aクラスの遺伝子はwhorl1とwhorl2,Bクラスの遺伝子はwhorl2とwhorl3,Cクラスの遺伝子はwhorl3とwhorl4で作用する.Aクラス,Bクラス,Cクラスの遺伝子が全て正常な場合,whorl1ではAクラスの遺伝子が単独で働きがく片が形成され,whorl2ではAクラスとBクラスの遺伝子が一緒に働き花弁が形成され,whorl3ではBクラスとCクラスの遺伝子が一緒に働き雄しべが形成され,whorl4ではCクラスの遺伝子が単独で働き心皮が形成される.

 Aクラスの遺伝子が欠損した変異体では,Cクラスの遺伝子がwhorl1とwhorl2で作用し,外側から順に心皮−雄しべ−雄しべ−心皮という花が形成される.Bクラスの遺伝子が欠損した変異体では,外側から順にがく片−がく片−心皮心皮という花が形成される.Cクラスの遺伝子が欠損した変異体では,Aクラスの遺伝子がwhorl3とwhorl4で作用し,外側から順にがく片−花弁−花弁−がく片という花が形成される.A,B,C,全てのクラスの遺伝子が欠損すると花の要素は全て葉になる.


腋芽


SOX
 ソルビトール酸化酵素.
ソルビトール+1/2O2→グルコース+H2O
という反応の触媒.


S6PDH
 ソルビトール6リン酸脱水素酵素.
「ソルビトール6リン酸+NADP+」と「グルコース6リン酸+NADPH+H+」を可逆的に反応させる.


エチレン
 植物ホルモンの一種.果実の成熟を促進させることが知られている.
 リンゴとバナナを同じ袋の中に密封しておくとバナナが黄色くなるのは,リンゴから発生されたエチレンがバナナの成熟を促進させるためです.
 本研究室では,エチレンの濃度がデルフィニウムの花弁の離脱に及ぼす影響について調査しています.鮮度保持についてを参照して下さい(編)


NAD依存性SDH
 NAD依存性ソルビトール脱水素酵素.
「ソルビトール+NAD+」と「フルクトース+NADH+H+」を可逆的に反応させる.


オーキシン
 植物ホルモンの一種.極性移動し,頂芽優勢や果実の肥大に関わったり,伸長促進,屈性を起こすことなどが知られている.
 カルスを培養する際,サイトカイニンよりオーキシンを多く含む培地では根(不定根)の形成が観察される.(編)


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