鈴木涼太さん(酵素化学分野)が令和4年度東北大学総長賞、令和4年度東北大学農学研究科長賞を受賞しました

酵素化学分野の鈴木涼太さん(修士2年)、二井勇人准教授、小川智久教授、日高將文助教らのグループの研究成果が2023年2月16日に科学雑誌「International Journal of Molecular Sciences」に掲載されました。優れた成果が認められ、鈴木さんは令和4年度東北大学総長賞、令和4年度東北大学農学研究科長賞を受賞しました。

2023年3月24日、農学研究科学位記授与式にて令和4年度総長賞と農学研究科長賞を受賞した鈴木涼太さん

【鈴木さんの研究の概要】

 アルツハイマー病では、毒性アミロイドペプチド(Aβ)の凝集体が脳内に蓄積して、神経細胞死を引き起こします。Aβは38〜43アミノ酸からなり、γセクレターゼというプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)がアミロイド前駆体ペプチドを切断することで生じ、特に長鎖Aβ42とAβ43はアミロイドのコアとなる分子で、毒性が高く発症に直結します。家族性アルツハイマー病(FAD)では、アミロイド前駆体(APP)遺伝子変異によって切断が異常になり、毒性の高いAβ42とAβ43が生成しますが、そのメカニズムは不明でした。

 酵素化学分野の鈴木涼太さんらは、酵母を用いた研究により、FAD変異体の切断異常を酵母の生育で評価することで、FAD変異の切断異常を回復させるサプレッサー変異を特定しました。酵母の結果は哺乳類細胞(CHO, チャイニーズハムスター卵巣細胞)を用いて確認され、細胞が分泌する毒性アミロイドAβ42とAβ43の産生が大きく抑制されました。今回同定した変異は、膜貫通領域内にプロリンを導入するもので、アミロイド前駆体タンパク質の二次構造の不安定化により、切断が促進されたと考えています。毒性Aβの生成を減少させる化合物(γセクレターゼモジュレーター)は世界中で探索されており、今回の鈴木らの研究成果はアルツハイマー病治療薬の探索と開発応用へ結びつくものとして大いに期待されます。

 

研究のより詳しい内容は、農学研究科のページをご覧ください。

https://www.agri.tohoku.ac.jp/jp/news/dokuseiamiroido/