VOICE: Plant Science [No. 001] Ye Ronglingさん(作物学分野 博士後期課程3年)

植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら

今回は、作物学分野 博士後期課程3年のYe Ronglingさんにお話を伺います。よろしくお願いします。

Ye Ronglingさん(作物学分野 博士後期課程3年)

現在どんなご研究をなさっているか教えてください。

 ご存じと思いますが、日本のダイズは自給率がかなり低くて、輸入に依存しています。生産性を安全的に向上させるため、今はダイズの有限伸育型と無限伸育型の混植栽培について研究しています。有限伸育型は開花期ごろになると茎の先端部にも花序がついて茎の成長が止まるタイプで、無限伸育型は開花期になっても茎先端部で葉を分化し続けて、茎の成長が続くタイプです。二つのタイプはサイズがかなり違って、混植栽培によって高度差を利用し群落の構造を改善して、資源利用効率を高めることが期待できます。そして、単一品種より多様性も高いため、病虫害の防止にも期待できます。

写真/試験場の川渡フィールドセンターのダイズ畑です。都市から離れて静かできれいなところです!

この研究領域/分野を選んだ理由はどのようなものでしょうか。

 最初はただの興味でした。私は小さい頃に、田舎のおばあさんのところでよく遊びました。おばあさんが農作業するとき私はいつも横で真似をしていました。大人になってもよくあの頃の楽しさを思い出します。そのため作物学分野に入りたいと思いました。
 そして、責任感です。実は修士時代に,調査のためにタイやカンボジア、ラオスなどの農村に数回行ったことがあります。村々の作物の生産量は非常に低かったです。人々は食事さえ満足に取れないから、換金する余裕は当然なかったです。裸足で遊んでいた栄養不足の児童やトイレさえない家を見て、とてもショックを受けました。「私が料理の味に文句を言うとき、この子たちは飢餓を我慢している!」とすごく心が痛かったです。そして農学研究員としての責任感を強く感じて、作物学分野に入ってよかったと思いました。

写真/カンボジアの農村で調査を行った時の写真です。生育が揃っていなかったトウモロコシ、トイレさえない家、好奇心が強い・キラキラの目を持っていた子供たち……

最近研究以外で嬉しかったことはありますか?

 昨日、大河原町でお花見をしました!とてもきれいで感動しました。
 今年は仙台にいる五年目ですが、いつも行くのが遅かったり、天気が悪かったりして,満足に「一目千本桜」を観賞できませんでした。とても残念です。
 昨日は桜がほぼ満開だし、空も青くてとても美しかったです。天気がいいおかけで残雪の蔵王山もきれいに見えました!そして人もいつもの年より少なかったため、ゆっくり散歩して桜の写真をいっぱい撮りました。

写真/きれいな空、ピンクのお花と残雪の蔵王です!

将来の夢を教えてください。

 将来は研究を続けて食糧問題を解決のために貢献したいです。 具体的には、まず大学に就職して農学の先生になりたいです。研究をやりながら農学研究の重要性や面白さを生徒さんたちに伝えたいです。一人でも多くの農学研究者が増えればと思います。
 そして、いろんな農村へ行って、実際に存在する問題を一刻でも早く把握し、農家さんに科学的なアドバイスをしたいです。
 最後に、海外の研究にも積極的に参加したいです。国の壁をなくして、海外の研究者たちとお互いに情報を共有したいです。

ありがとうございました。世界でのご活躍を楽しみにしています!

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