VOICE: Plant Science [No. 008] 佐々木温子さん(栽培植物環境科学分野 学部4年)

植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら

今回は、栽培植物環境科学分野 学部4年生の佐々木温子さんにお話を伺います。よろしくお願いします。

佐々木温子さん(栽培植物環境科学分野 学部4年)

現在どんなご研究をなさっているか教えてください。

 現在は木質バイオマス発電で副生成されるバイオ炭に下水処理等の廃液に含まれるリンを吸着させた資材の施用が、作物生育や温室効果ガス排出に与える影響について研究しています。バイオ炭の施用は作物栽培による温室効果ガスの増加を抑制する方法の1つと考えられており、土壌の物理性を改善する効果もあると考えられています。このことによって、農業由来の温室効果ガスの増加を抑制しながら、作物の生育が促進されることを期待しています。

写真/ダイズ栽培試験の圃場の様子です。圃場に埋まっている枠の中には様々な資材などを混和した土壌が入っていて、そこでダイズを栽培して、資材の違いによる生育の差などを調べています。

この研究領域/分野を選んだ理由を教えてください。

 私は、以前から作物栽培が自然環境へ及ぼす影響や土壌が作物生育に及ぼす影響に興味を持っていました。私が所属している栽培植物環境科学分野の研究室は、東北大学付属農場の川渡フィールドセンターにあります。栽培植物環境科学分野では、この川渡フィールドセンター内の圃場で栽培試験を行っており、それらについて実際の栽培条件に近い環境下で研究を行うことができると考えたので、この分野を選びました。

好きな食べ物や料理、得意料理などがあれば教えてください。

 川渡フィールドセンターの近くのインド・パキスタン料理店で材料を購入して、川渡フィールドセンターにある他の研究室に所属している同期と、1ヶ月に1回程度インド・パキスタン料理を作って食べる会をしていました。馴染みの少ない料理をすることは、とても良い経験になりました。現在は、購入したスパイスを使い切ってしまったので、鍋会に移行しましたが、同じセンターで研究に励む同期と一緒に料理をしたり、食事をしながら話したりすることは、とても良い研究の息抜きになっています。

写真/同期会で作ったチキンビリヤニとバターチキンカレーの写真です。

将来の夢を教えてください。

 現在、私が行なっている研究はSDGsに関連する内容なのですが、将来も同じように環境に配慮しながら、持続可能的な生産活動を確立する仕事に就きたいと考えています。農業による生産活動は必要不可欠ですが、温室効果ガスの排出や大量の廃棄物の生成など、農業が自然環境に与えるダメージも少なくありません。そのため、私は将来、資材などを用いて温室効果ガスの増加を抑制したり、廃棄物を堆肥化して利用したりして、農業による環境負荷を軽減しつつ、安定した生産活動を可能にしたいと考えています。

川渡の研究生活は楽しそうですね。農業による環境負荷というのは非常に重要な課題でありながら一般にはあまり知られていないかもしれません。素晴らしい研究成果を期待しています。ありがとうございました。

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