VOICE: Plant Science [No. 011] 西田瑞彦先生(栽培植物環境科学分野 教授)
植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら
今回は、栽培植物環境科学分野 教授の西田瑞彦先生にお話を伺います。よろしくお願いします。
西田瑞彦先生(栽培植物環境科学分野 教授)
現在どんなご研究をなさっているか教えてください。
環境に負荷をかけずに農業の生産性を高めることを目指し、水田や畑など広いフィールドで作物を栽培しながら研究をしています。例えば現在、田んぼではイネだけが栽培されているわけではなく、何年か周期でダイズなど畑作物を栽培する田畑輪換が広く行われています。しかし、それによってもともと水田の土壌が持っていた生産力が落ちることがわかっています。土壌の生産力を高めるためには、堆肥を土壌に入れることが有効とされています。水田、畑、これらを組み合わせた田畑輪換での堆肥の機能を明らかにするために、安定同位体を使って堆肥の養分の動きを詳細に調べています。その他には、プラスチックを分解した生成物を肥料にする研究、「地球を冷やす」とされるバイオ炭が本当に温暖化防止に有効なのかを明らかにする研究などを行っています。
写真/バイオ炭を施用した水田から放出される温室効果ガスを採取している様子
研究をしていて、楽しいと感じる瞬間について教えてください。
水田や畑で作物や土の様子を見たり、触れたり、そこで農家さんと話をしているときです。それまでは見過ごしていた何かに気づいたり、研究の仮説が浮かんだりするときはとてもわくわくします。農業の現場には面白いことがころがっていて、飽きることがありません。
写真/フィールドセンターではウシとも友達になれます
好きな食べ物や料理、得意料理などがあれば教えてください。
料理と言って良いかわかりませんが、手羽先を炭火で焼くのが得意です。マンションに住むようになってから、炭火でのバーベキューはできなくなりましたが、以前はよく炭火で手羽先を焼いていました。しばらく遠ざかっているので、今はその腕が落ちたのではないかと心配です。手羽先の後の締めの焼きおにぎりもかなり得意でした。
将来の夢を教えてください。
一言で表現すれば農業現場を元気にすることです。そのための技術開発につながる研究を進めたいといつも考えています。また、私と研究を行った学生の皆さんが社会に出て、農業の現場に貢献するような活躍をすることも夢のひとつです。農業の現場には解決すべき問題が様々あります。また、時代や社会情勢に応じてその問題も変化します。学生の皆さんと一緒に問題を受けとめ、悩んだり喜んだりしながら研究を進めていきたいです。