VOICE: Plant Science [No. 024] 反田絢也さん(園芸学分野 博士前期課程2年)

植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら

今回は、園芸学分野 博士前期課程2年の反田絢也さんにお話を伺います。よろしくお願いいたします。

反田絢也さん(園芸学分野 博士前期課程2年)

現在どんなご研究をなさっているか教えてください。

 私は、低濃度オゾン水を活用した野菜生産技術の開発に関する研究をしています。オゾン水は殺菌効果を持つ一方で、すぐに分解して水と酸素になるので、農薬の使用を抑えつつ、高品質な野菜を生産できる可能性があります。近年では人々の健康への関心が高まっており、ビタミンや機能性成分を多く含む野菜が消費者から求められています。また、地球温暖化をはじめとする気候変動により、安定的、持続的な農業生産を確立することも重要です。こうした背景から、オゾン水を利用して環境に優しく、さらに高品質な野菜を生産する技術の確立を目指しています。現在は、トマトとスプラウトを栽培してオゾン水処理の方法を検討し、農業現場での実用化に向けた研究を進めています。

写真/スプラウト栽培の様子:専用のマシンを使い、実験室内で栽培しています。植物の成長に必要な赤と青の光が混ざった光を使っているため、光がピンク色に見えます。

この研究領域/分野を選んだ理由を教えてください。

 私が園芸学に興味をもったのは、小さい頃から果物や野菜、花が身近な存在だったからです。出身が山梨で、実家で果樹生産に携わっていたこともあり、季節ごとに変わる果樹や畑の様子を間近に感じながら育ちました。そうした環境の中で、植物の生育や品種改良、栽培技術に関心をもつようになり、園芸学を学びたいと思うようになりました。研究室に配属して驚いたのは、研究室で管理する畑があることです。夏には研究室のメンバーで野菜を育て、収穫したものをみんなで食べることもあります。また、リンゴやブルーベリーなども植えられており、気軽に楽しめるのも魅力的です。

写真/研究室の畑で育てた野菜:トマト、ピーマン、ナス、シシトウ、オクラ。毎日、たくさんの野菜が収穫できます。

園芸学は美味しそうなものが多くて羨ましいです。ところで、研究の息抜きになるような趣味はお持ちですか。

 研究が一段落したときは、気分転換としてディズニーに行って楽しんでいます。パークに入ると、その世界観に浸ることができるので、研究の忙しさを忘れてリフレッシュできます。特に、パーク内の景観が好きで、花や木などの植物が至る所にあるので、歩いているだけでも癒やされます。例えば、ディズニーランドにある「美女と野獣」のアトラクションの近くにはブドウの木が植えられていて、作品の世界観を感じることができるのも好きな部分です。こうした細かい背景に気づくたびにテンションが上がります。研究から少し離れて、楽しいひとときを過ごすことで良い息抜きになっています。

写真/ディズニーランドの美女と野獣エリアにあるブドウの木:5月に撮影したので葉が生い茂っています。季節ごとに変わる景色を楽しめるのも魅力的です。

最後に、将来の夢について聞かせてください。

 私は博士後期課程に進学し、これまで取り組んできた研究をさらに深めていきたいと考えています。研究は思い通りに進まないこともありますが、試行錯誤を重ねて新しい結果が得られたときは、とても大きな喜びを感じます。私の研究は実用化を視野に入れたものなので、将来的には研究の面から農業生産の発展に貢献したいと思っています。学部4年で研究室に配属されてからの3年間は本当にあっという間で、これからも時間を大切にしながら、日々少しずつ成長していきたいと考えています。研究は大変なこともありますが、その分やりがいも大きいので、皆さんも興味のあることに挑戦する気持ちを大切にしてほしいです!

写真/修論発表会での一コマ:博士前期課程の2年間で行った研究について発表しました。

ディズニーランドでブドウの木の写真を撮っている人はたぶん珍しいけれど、研究者にとっては結構あるあるかもしれません(笑)学問をすると、そういうところでちょっとずつ人生が豊かになるのを感じます。4月からの博士後期課程でもご活躍を期待しています。今日はどうもありがとうございました。

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