VOICE: Plant Science [No. 033] 金山喜則先生(園芸学分野 教授)

植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら

今回は、園芸学分野 教授の金山喜則先生にお話を伺います。よろしくお願いいたします。

金山喜則先生(園芸学分野 教授)

現在どんなご研究をなさっているか教えてください。

 野菜や果物や花の成長や環境とのかかわりを研究しています。たとえば、野菜や果物はどのように成長して体に良い機能性成分を蓄積するのか、あるいは地球温暖化にともなう環境悪化にどのように対応するのか、などをテーマに、栽培、成分や遺伝子の分析をおこなっています。花では、LEDを用いて、どのように光の色に反応して開花を調節しているのかを研究しています。基礎的な成果は教科書などで、応用的成果は栽培法の開発や品種改良などで利用されます。

応用的成果に関して、ご研究の社会実装について差し支えない範囲で教えてくださいますか。

 野菜の分野では、ゲノム編集によって機能性成分を増やし、より健康に資する品種の開発に取り組んでいます。栽培や流通にかかわる技術においては、肉眼では見分けられない作物の障害の初期症状を検知する高機能センサを開発しており、農業のIoT化に貢献できると考えています。 また花については、省エネ・長寿命なLEDの特性を活かし、環境負荷を抑えつつ効率的に開花をコントロールする技術の提供を目指しています。

ちょうど受験シーズンです!東北大学農学部の受験を考えている方(迷っている方?)に一言お願いします。

 東北大学農学部の良いところをあげるとキリがありません。まず、立地がパーフェクトです。仙台駅から地下鉄でほんの10分で、街中の喧騒からはなれた緑豊かなキャンパスに到着します(青葉山駅から出たら、そこはもうキャンパスです)。都市の規模もちょうどよく、夏の暑さも関東以西にくらべると格段に過ごしやすい上、冬も雪は少ないところです。農学部は生物を基本とした基礎から応用まで幅広い研究がおこなわれ、設備もたいへん充実しおり、また移転後間もないためすべての建物が新しい状況です。圃場や温室もキャンパス内ですし、世界有数の放射光施設であるナノテラスも徒歩圏内にあって、画像のような作物や食品の内部構造の可視化など、魅力的な研究をおこなうことができます。

農学部、絶対楽しいですよね。最後に、将来の夢について聞かせていただけますか。

 近未来の社会「Society 5.0(※)」では、最新のテクノロジーと園芸生産が高度に融合します。例えば、作物の成長のサインをセンサがキャッチして、AIと生産者が協力して判断し、必要な作業を自動でおこなう…そんなスマートな園芸が当たり前になります。また、すべての人々の健康を確保することや、環境を守ること、そして持続可能な農業を推進することは、SDGs(外務省サイト(注))の大きな目標でもあります。技術の力で、地球にやさしく、みんなが笑顔で暮らせる未来をデザインしていく。それが園芸学の描く大きな夢です。
(※)狩猟、農耕、工業、そして現在の情報社会(Society 4.0)に続く、未来社会の姿。サイバー空間とフィジカル空間の融合により、人間中心の社会を発展させることがコンセプト。

農作物の科学を通してヒトの健康や社会、環境に貢献できるのが園芸学や植物コースの魅力と言えそうですね。ご研究のますますのご発展を楽しみにしております。今日はどうもありがとうございました!

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