海洋生物科学コース

海洋生命遺伝情報学

研究内容

当研究室は魚類遺伝資源の有効利用をめざし、水産生物の発生や成長、変態の分子制御機構、遺伝育種や遺伝資源の保全、遺伝配列の効率的比較法の開発に関する研究を行っています。

 

遺伝資源は鉱物資源とは異なり適切に管理すれば半永久的に利用することができます。そのために以下の研究に取り組んでいます。それらは、魚類増養殖における生産技術の改良を行うための卵や仔稚魚の発生や成長、変態を制御している分子制御機能の解明、また魚類形質の人為改変に向けた遺伝子改変および導入技術の応用研究、有用遺伝子を系統化し効率的に利用する遺伝育種の研究や育種素材となる野生集団における遺伝資源の保全研究、塩基配列を効率よく比較する計算手法の開発、等です。

具体的には1)ヒラメの左右非対称な体色形成の分子メカニズムの解析、2)ヒラメを含む非モデル生物でゲノム編集など機能解析を行うための実験法の開発、3)水産生物における近交弱勢とその回避、4)イワナ遺伝資源の現状と保全、5)淡水魚における長期間の低線量放射線被曝の遺伝的影響、6)アユにおける釣獲性に優れた個体の選抜育種、7)文字列の局所類似性解析のためのデータ構造の設計、8)数値列同士の類似度計算と文字列同士の類似度計算の関係性の解明、等に取り組んでいます。

ヒラメの変態と左右非対称なボディープラン
阿武隈川源流域におけるイワナの採集。種苗放流の影響を受けていないと考えられる流域でイワナを採集し、遺伝的組成の河川間比較を行った。
阿武隈川上流域で採集されたイワナ。遺伝的特性を調査した結果、エゾイワナと判別された。

分野ホームページ

https://www.agri.tohoku.ac.jp/marine/

キーワード

異体類、変態、実験モデル生物、ゲノム編集、水産遺伝育種学、遺伝資源、育種管理、選抜育種、育種価、近交弱勢、文字列アルゴリズム、計算量解析

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