利用・機能性評価研究部会
生物系廃棄物を循環的に資源化する上で堆肥化(コンポスト化)は適切な方法である。しかし,主に農業生産で利用する場合に,環境保全,資源循環,持続的生産を調和させることが不可欠である。
本部会は,このことを達成するために生物系廃棄物の脱環境負荷型資源化を目指してコンポストの利用性および機能性を評価し,有効な活用技術を開発する。
研究題目とこれまでの成果
1)アシドロコンポストの特徴と機能性の解析
伊藤豊彰,南出圭祐,蓼内さおり,三枝正彦
a)生ゴミを材料としたアシドロコンポストの作物生産における有効性評価
好気的に製造された通常の生ゴミコンポスト(n=11)と比較して,アシドロコンポスト(n=12)は,1)pHが低い(4.9vs7.0),2)窒素含量が高い(4.5vs3.0),3)C/N比が低い(12vs17),ことを明らかにした。このことから,コンポスト中の有機態窒素量が多く,有機物が分解されやすい。無機態窒素供給能が高いと考えられた。
コンポストを土壌に混合施用し,コマツナの発芽率と生育量を調査した。通常の生ゴミコンポストに比べて生育量を低下させた生ゴミアシドロコンポストが多かった。このことから有機性の植物生育を抑制する物質が存在することが明らかとなった。

