研究内容の紹介

主に以下の2つのテーマを軸に研究を展開しています。

草地草原の生態学
動物の健康と福祉

 

草地−動物生産生態学分野が目指すこと

キーワード : 21世紀型 放牧技術の構築 -持続・環境・動物福祉-

 

草地・草原は世界の陸地の約4分の1を占めており、その草資源を利用した動物生産が世界中で行われています。そのような草地には動物生産のための牧草や家畜だけではなく、自生する野草や木本、草地に生息する野生動物など、多種多様な動物や植物、さらには土壌を含めて「草地生態系」を形成しています。

 

私たちの分野では、草地生態系における土壌−植物−動物間の関係あるいはそれら動物・植物と環境との相互作用を明らかにすること、そしてそれらの知見を動物生産(畜産)などに応用し、持続的で福祉的な動物生産を推進することを目的として研究を展開しています。

 

現在は放牧による動物生産を主な研究対象としています。持続的可能な社会の実現が求められている中で、肉や乳を安価に大量生産するプロダクト重視型の畜産技術から脱却し、放牧地生態系が持つ物質循環や生物多様性の機能を重視し、生態系保全や動物福祉といった倫理性のある生産プロセス重視型の放牧生産技術を構築することを目指しています。

 

 

研究対象 (個体および個体群)

草食家畜 (ウシ,ヒツジ,シカ,ウマ など)
草地草原の植物 (牧草,野草,木本など)
草地土壌 (物理化学的性質,土壌微生物など)

研究手法

生態学
行動学
生理学
栄養学 など

研究内容の紹介記事一覧

1) 持続的放牧システムに関する研究 わが国では,昭和30年代以降,各地に牧草地が造成され,乳牛や肉牛などの草食家畜生産の場として利用されてきました。 最近では,草地・草原には,家畜生産の場としての機能の他に,土壌浸食の防止,水源の涵養,地球温暖化防止,生物多様性の保全,憩い・娯楽・教育の場など,私たちの生活と環境にとって多くの有益な機能があることが明らかとなっています。 当研究室では,草地・草原...

 日本も含め世界の167ヵ国が参加する国際獣疫事務局OIEは、2005年にアニマルウェルフェア基準を作成しました。 命ある生物そして意識ある動物を倫理的に飼いたいとする発想がアニマルウェルフェア指向ですが、方法は動物の肉体的・精神的健康を保つために、飼育環境を整えようとすることであります。 BSEの蔓延等を防止するための議論を行う国際組織であるOIEがなぜアニマルウェルフェアなのでしょうか?  病...