ごあいさつ

 生まれたばかりの家畜は免疫機能が極めて未熟であり、病原性を有した細菌やウイルスによる感染の危機にたえずさらされています。幼若期の家畜を感染症からいかに守るか、それは、家畜生産現場における重要課題の一つであります。畜産領域における感染症研究とは、獣医療(治療)に移行する前の予防を追求することであり、感染症を発症しない家畜生産を可能にすることが究極の課題となります。

 私達は、身体の中に複数存在する免疫に関わる臓器の「機能」および「形態」が形成される仕組みを理解することで、家畜を健全に育成するための免疫戦略を構築することを目指しています。特に、母から子に提供される母子移行免疫が母体の内でどのように形成されているのか、また、幼若期の子は自身の免疫機能をどのように発達させているのか、その謎を解き明かすべく、妊娠期や哺育期の母体と、離乳前後の子の免疫機能に関わる様々な臓器を多角的に解析しています。

 私達の研究の目指すところは、母子の免疫機能に関わる分子の特定と、それを標的とした免疫機能強化型の家畜の生産体系を確立することです。また、私達の夢は、家畜生産現場のニーズに応えられる応用研究へと発展させるための土台を作り上げることであり、出口を見据えた大学ならではの基礎研究に力を注いでいます。

 研究室は、創造力豊かな大学院生/学部生の活気で満ち溢れています。学生達は、日々、研究活動に精力的に取り組んでいます。また、研究室の教育方針である次世代を担う人材育成にも力を注いでいます。我々の教育・研究活動にご興味をお持ち頂きました高校生、大学生、企業や関係各位の方々、さらには一般の皆様におかれましては、このホームページを通して、我々の日頃のアクティビティーを共有して頂ければ幸いであります。

 2021年4月1日 野地智法

<< 前のページに戻る

    〒980-8572 
    宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1 
    (農学系総合研究棟本棟W405,W407,E413)
    TEL : 022-757-4312 FAX : 022-757-4315