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東北復興農学センター主催シンポジウム『震災から10年:「復興農学」の成果と課題』を開催しました
- 2020年12月21日
東北復興農学センターでは、来年3月で震災から10年を迎えるにあたり、これまでの活動の成果を振り返り、今後の発展へとつなげていくための意見交換の場として12月13日(日)にシンポジウムを開催しました。
農学研究科の連携教員7名と農学研究科と連携協定を結んでいる宮城県東松島市、福島県双葉郡葛尾村から2名の来賓を迎え、9名が講演を行いました。

写真:来賓挨拶(ビデオメッセージ)の様子(葛尾村長 篠木弘様)
東北被災地を中心とする、震災時の被害状況と復興状況、海水を被った被災農地でも菜の花が栽培できることや、リモートセンシングを利用した被災農地と沿岸部の復興変遷の推移をまとめた成果について。
また生態系が本来持つ復元力を復興工事が奪う可能性や、これまで海岸林再生のために行われてきた植樹は、種苗の遺伝的多様性が重視されていなかったため枯れることも多かったこと等、被災後の研究から分かる復興と農業を取り巻く課題について講演いただきました。
総合討論では、オンライン及び会場からの質疑応答として、被災地の人材対策について等活発に議論が行われました。

写真:総合討論の様子
今回の一般参加者のほとんどがオンライン視聴でしたが、シンポジウムを開催するにあたり、新型コロナウイルス感染防止のために、受付に消毒液やパーテーション、注意喚起の張り紙の設置を行いました。また、学内のマニュアルに則り、エレベータやごみ箱の使用制限や申込受付フォーム、当日会場内スライドでの注意喚起等対策を取った上での開催を行いました。
開催後のアンケートでは、「研究結果を地域に還元してほしい」「地域の声を反映した研究と解決先の提案を求める」等の被災地とコミュニケーションをとりながらの研究と実装を望む声をいただきました。
震災から10年、センター設立から7年目となる今年は、復興農学が開講できず、被災地の方と関わる機会も十分とは言えませんでしたが、来年度以降も可能な範囲で被災地復興活動を継続していきます。

画像:シンポジウムチラシ